お知らせ
デザイン誌「AXIS」最新号 vol.222 2/28発売!
23.02.27
特集
社会とつながるデザイン教育
中学を卒業したばかりの若者対象に、モノをつくる力を有して自らコトを起こす起業家の育成を目指す新設の高専。地域が抱える課題の解決に向け、コンサルティング会社とともにデザインの力を生かしてコレクティブワークに乗り出す美術大学。自然豊かな環境で座学と実践を通じ、新たな発想や概念を考える分校施設など、デザインに触れ、学ぶ機会の選択肢が増えています。背景には、社会が求めるデザイン人材の変化があります。幅広い領域のデザインの意義と役割について提言を取りまとめる経済産業省主導の研究会でも議論となっているデザイン教育は、従来の産業振興や企業の競争力強化から、文化的価値や社会的価値の創造に資する取り組みへと転換が急がれています。今号の特集は、社会や産業の変化を幅広く視野に入れ、デザインの学びや理解を広く世の中に還元していくーそんな、社会とのつながりに重きを置きはじめた日本のデザイン教育の新たな動きに迫ります。
神山まるごと高専
デザインから起業までをまるごと学び、日本の社会を変える
徳島県の山間部にありながら、地方創生の先進地として注目を集める神山町。2004年に光ファイバー網が敷かれて以来、IT企業のサテライトオフィス誘致などにより外部からクリエイティブ人材が呼び込まれ、ビジネスの創造拠点へと変革が進む。そこに今年4月、神山まるごと高専が開校する。卒業生の4割を起業家に育てることをミッションに、学生は15歳から20歳までの5年間、全寮制で「デザイン.テクノロジー.起業家精神」を凝縮して学ぶ。そこではいかなる教育がなされるのか。なぜ高専という仕組みが有効なのか。校長から新入生まで関係者に話を聞いた。
佐藤 卓と伊藤直樹が語る、これからのデザイン教育
社会の10 年先、20年先を見据えれば、将来を担う若い世代のデザイン教育が鍵を握ると思われる。NHK Eテレ「デザインあ」などの番組制作を通して子どもたちに向けデザインへの好奇心を喚起してきた佐藤 卓と、美術大学で教鞭をとる傍ら、今春開校する神山まるごと高専のカリキュラムディレクターに就いた伊藤直樹のふたりが、専門領域をまたぐこれからのデザイン教育のあり方について語り合った。
Sci Tech File
超遺伝子から解き明かす毒蝶に擬態するアゲハの謎
擬態といえば、枯れ葉や木の枝などに姿形を似せて身を隠す昆虫を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、擬態にはさまざまな種類がある。ランの花に擬態し近づいてきた虫を食べるハナカマキリや、鳥から逃れるために葉っぱの上で鳥の糞のような姿をしているイモムシ、毒蝶とそっくりの姿をして天敵を近づけないチョウもいる。アゲハチョウを遺伝子レベルから探り、毒蝶を真似る擬態の鍵を握る超遺伝子(スーパージーン)の働きを解明した東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤原晴彦教授に話をうかがった。
田川欣哉のBTCトークジャム
ゲスト:武井祥平さん(nomena創設者、エンジニア)
デザイン・イノベーションファームTakram代表の田川欣哉さんがナビゲーターとなり、ビジネス、テクノロジー、クリエイティブの3領域で活躍するトップランナーを迎える対談連載。第33回のゲストは、nomena創設者でありエンジニアの武井祥平さんです。
TAKT PROJECTの東北考
知覚の土着性
人間を中心とした都市の発展の過程でこぼれ落ちた「何か」があるのではないか。厳しい自然と「周縁」としての固有の文化を有する東北各地を訪れ、そのこぼれ落ちた何かから、今後のデザインの手がかりを探ります。
INSIGHT
マルコ・ザニーニが考案する 河川を活かした非対称物流ソリューション
イタリア人建築家・デザイナーのマルコ・ザニーニは、ブラジルの最大かつ最もグローバルな産業である農業に課題を見つけ、革新的な非対称物流ソリューション「コンボイヨ」を提案する。氏にコンボイヨのコンセプトやそこに込めた想いを尋ねた。
量子芸術祭は、アートとサイエンスの新たな出会いの始まり
クリエイティブディレクターの藤原 大が総合監督を務めた「量子芸術祭」は、量子コンピュータ研究の最前線を私たちの日常に近づける試みだった。浮かび上がってきたのは、不確実性の高い量子の動きに挑み、現在この世界で考えられる最強のコンピュータの開発を目指す科学者たちの姿だ。芸術祭が目指したものは何か、振り返る。
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