お知らせ
デザイン誌「AXIS」最新号 vol.220 11/1発売!
22.10.31
特集
UP NEXT
メディアの役割のひとつに、新しい才能を発掘し、育成・支援していくことが挙げられる。活力ある豊かで多様な未来を創造するエネルギー、若く新しい才能を後押しすることは、多様性と革新性のあるデザイン文化を育んでいくことに他ならない。歴史を振り返ると世情が不穏だったり、経済的に不遇だったりする環境下に、新しい才能が誕生することが多い。コロナが世界を覆った約3 年。発表や交流の機会が激減する一方で、高まったのは、新しい才能への渇望ではないだろうか。世界を取り巻くさまざまな課題や状況を創造の源泉に取り込み、社会に新たな可能性を提示する。しかも、それぞれに違ったスタイルで。もしそこに共通項を見出すとすれば、「若い世代らしい時代感覚を持ち、さまざまな変化に貪欲に向き合っている」ことだろう。35 歳以下で、世界を舞台に活動する海外デザイナー。12 組の活動に触れ、ぜひともデザインの新たな胎動を感じてもらいたい。
ルーツを紐解く文化人類学的デザイン
シモン・バレン・ボテロ
シモン・バレン・ボテロの故郷コロンビアは、ヨーロッパ系と先住民族とアフリカ系の人々が住み、なかでもメスティーソが人口の多くを占める。先住民の部族は80を超え、言語も60以上あるという多民族国家だ。その歴史や文化を掘り下げ、自国のみならずラテンアメリカのアイデンティティの構築に貢献したいと語る彼の捉える「デザイン」とは。
鮮やかな色彩とエンパシーで
人の心をポジティブに
インカ・イロリ
ロンドンの街角にカラフルで心温まる巨大なメッセージが掲げられた。
ポストコロナに覆われた人々の気持ちを癒したのは、ナイジェリアにルーツを持つ英国人デザイナー、インカ・イロリだ。彼の考えには、脱植民地化デザインを超えた先にある、多様化する社会を包み込むエンパシーが存在する。
物語を都市の構想へとつなげ、
ドローイングで建築のおとぎ話を語る
フレイヤ・ホウ
アーティストと建築家というふたつのアイデンティティを保っているフレイヤ・ホウは、物語の中の建築や都市像を想像し、ドローイングに落とし込んでいる。このようなアプローチで、建築空間づくりの新しい可能性を示唆している。
LEADERS
マウロ・ポルチーニ
(ペプシコ シニアバイスプレジデント、チーフデザインオフィサー)
他人が持つ、優しさ、親切さ......。殺伐とした世界のなかで、真に社会のためとなる価値を生み出すために人は何を大切にすべきか。3M のデザイン責任者を経て、2012 年から飲料大手、ペプシコのチーフデザインオフィサーを務めるマウロ・ポルチーニは、近著のなかでそのヒントを記す。大きく見開かれた瞳の奥に、柔らかさや暖かみが滲み出るその表情からは、他者を敬い、信頼することへの祈るような思いが伝わってくる。「ハピネスをデザインする」ことに想いを寄せる氏に話を聞いた。
Sci Tech File
微生物が教えてくれる地球のための発酵テクノロジー
発酵と言えば日本酒やワインや味噌や醤油などを思い浮かべるが、微生物の働きで美味しいものをつくるだけが発酵ではない。
微生物の多様な生命現象のなかでつくられるさまざまな物質がどうやって合成されていくのかを遺伝子レベルから研究して、そのなかから医薬品や樹脂など有益なものになる可能性のある物質を見つけ出す。それも発酵の研究である。120年以上の歴史のある東京大学大学院 農学生命科学研究科 醗酵学研究室の大西康夫教授を訪ね、微生物研究の最前線の話をうかがった。
INSIGHT
神奈川県立図書館本館の
家具をデザインするということ
日本のモダニズム建築の旗手、前川國男が設計し、椅子のデザインを水之江忠臣が手がけた横浜の神奈川県立図書館に、2022年9月1日、新しい本館が誕生した。その家具計画をE&Yの松澤 剛、家具デザインを中坊壮介と二俣公一が担った。この空間ならではの家具を追求した結果、もたらされるものとは何か。3人の言葉から探った。
INSIGHT
北欧に根づくスタートアップエコシステム
「バーベキュー」から生まれる新興企業たち
スカイプやスポティファイなど、多くのITスタートアップを生み出してきた北欧。その勢いは今、さらに加速している。背景にあるのは、シリコンバレーなどとは異なる独自のスタートアップエコシステムのデザインだ。
「バーベキュー」の名を冠したユニークなイベントをデンマークで取材した。
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